以前から懇意にしていただいている、本格台湾料理のお店、モモ・ビストロさんの紹介です。4-5年前にラジオ番組、「GOOD FOOD」で紹介されていたのをきっかけに、月一ぐらいで通ってます。

普通台湾レストランというと、軽食中心で、喫茶と一緒にいただくサイドディッシュ的なものかルーローハンの様な一皿料理を想像していましたが、こちらのお店ではお茶よりも、主菜系の何品かをオーダーして御飯や麺類といただく、正統的な台湾式中国料理のお店です。
(LA周辺で、この形式の台湾料理店はほとんどないそうで、モモ・ビストロさんを含めて2-3店しかないそうです。)
台湾料理は元々台湾の地に住んでいた先住民:オーストロネシア族の食文化に、後から来た征服民(福建省からの漢民族、スペイン・オランダ人、日本人)の影響が混ざり、非常に複雑な食文化が成り立っているようです。「甘辛いはっきりとした味」を想像していた日本人の私からすると意外なのですが、本来の台湾料理の特徴は、
*蛋白で薄味、ほんのり薬膳のかおり
というものだそうで、確かにモモ・ビストロさんでいつもいただくお料理も、薄味で素材の持ち味が生かされたものがほとんどです。
(他では満足できないお客さんが週に何度も通われているそうで、毎回同じお客さんに遭遇します。笑)
妻と私の2人が今回注文したメニューです。
*かぼちゃと豚の千切り入り炒めビーフン
*台湾式イカのリングフライ
*ニガウリと塩漬け卵黄の和え物

では一品ずつご紹介していきましょう。
かぼちゃと豚の千切り入り炒めビーフン

焼きビーフンは台湾ですごくポピュラーな家庭料理だそうです。
見た目:
少しコシのあるビーフンとその他の具材(カボチャ、キャベツ、レタス、ネギ、豚肉、乾燥エビ)とのバランスが抜群です。
お味:
塩、コショウ、薬膳系の何か?でつけられたお味はごく薄味で、豚肉と乾燥エビから染み出る旨味のエキスと野菜の歯ごたえだけで満足できる素朴な味わいです。薄味なので、ほかの2品とのマッチングも抜群でした。
(ビーフンはお米で出来ているので、小麦アレルギーの妻も安心して食べられるのがうれしいです。)
*台湾式イカのリングフライ

一見普通のイカのリング揚げに見えるのですが、衣がかなり薄くてふわっと、してます。
見た目:
ごく新鮮な小さめのイカに下味など全く付けず、軽く衣(不明?)にくぐらせ、新鮮な油でさっと揚げた後、同じくかるく素揚げしたバジルの葉っぱと一緒に千切りキャベツの上に載せました、といった感じです。
お味:
そのまま食べてもイカ本来の塩味とほのかな甘みを楽しめますが、バジルと食べたり、また皿の横についてくる特性のお塩と一緒にキャベツとほおばるのもナイスな味変化です。食感は、ポップコーンみたいな軽さです!!

謎のアジシオです。
(塩、コショウと薬膳系の何か?が入ってます、多分)
ニガウリと塩漬け卵黄の和え物

こちらもシンプルながら病みつきになる『旨味の爆弾』案件です。(笑)
見た目:
*この時期、珍しいニガウリを湯がいて細く切ったものを、
*濃厚な塩漬け卵黄をペースト状に砕いたもので和えただけの、
シンプルな一品です。
まさに素材の品質がすべてな一皿。
お味:
*ニガウリ独特の苦みはほのかに残る程度で、
*シャキシャキとしたリズムと卵黄に遭遇した時ほとばしる『旨味爆弾』を選ぶでもなく、避けるでもなく、口の中で遊んでいるうちに、いつしか食べ過ぎてしまうのが楽しいです。
これだけ単独でも、またビーフンと合わせて食べても、飽きずににいつまでも食べ続けていたくなる、台湾版「コンフォート・フード・コンボです」。
お店の総評:
新鮮な素材で作られる本格料理は、
『胃にも体にも優しい、味付けは薄味+旨味は濃いめ』
といった感じで、何度も通い続けてしまう素晴らしいレストランです。
追記:
今回注文しなかったのですが、
1年ほど前に追加されたメニュー:『ほうれん草のパスタ入り、海鮮茶わん蒸し』は絶品中の絶品です。
壁面のメニューからご紹介します。

見た目:
海鮮のお出汁が効いた、魚介(エビ、イカ、貝柱、白身魚)とキクラゲの入った茶わん蒸しの上に、とろみ出汁に包まれたホウレンソウから作られた粒状のパスタがトッピングされてます。
お味:日本の茶わん蒸しに比べて塩気が少なく、やはり素材から染み出る旨味と食感の違いを楽しんでいるうちついつい食べ過ぎてしまう感じの料理です。(あっさりして、素材にこだわったものがお好きな方には、ぜひトライしていただきたいです。)
台湾にも独特の茶わん蒸しに似た『シェントウジャン(鹹豆漿)』というお料理があるようですが、モモ・ビストロさんの茶わん蒸しはかなり日本的で、統治時代に日本から影響を受けたものかもしれません。
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