デザイン・ベスト10リスト
こちらが私の独断と偏見による(笑)、
自動車デザイン・ベスト10リストとなっております。
第10位:BMW 507, 1956 ————————ーーー(シルバー+同色ハードトップ)
第9位:AMゼネラル ハマーH1, 1992 ——ー(軍用ウッドランド・カモフラージュ)
第8位:MB 560 SEL, W126型, 1979 ————ーー(黒とブルーグレーの2トーン)
第7位:キャデラック・エルドラド,1967 (メタリック・ブルーに黒のレザートップ)
第6位:トヨタ プリウス, 2003 (2代目)————————–(シーサイド・パール)
第5位:ホンダ S660, 2015 ————————————— (スター・ホワイトパール)
第4位:ポルシェ 928,1978 ————-(ライトブルー・メタに格子パターンの内装)
第3位:シトロエン DS23 Pallas, 1973 ————————(シャンペーン・ゴールド)
第2位:ランボルギーニ・カウンタック LP400, 1974 ——————ーー (オレンジ)
第1位:オースチン・ヒーレー 100/4 (BN/1), 1953 –(アイボリーと濃紺の2トン)
今回は第4位の、ポルシェ928,1977年型についての一般評価と私個人の928体験に付いて語らせていただきます。(写真の模型はすべて、928S型となっております。適当な928の模型が見つかりませんでしたので、あしからず。)
第4位:ポルシェ 928、1977


私の頭の中では、
ポルシェ928を思い浮かべるたびに、
『宇宙では、あなたの叫びは、だれにも聞こえない!』
と言う、20世紀フォックスの宣伝文句が渦巻きます。(笑) それは、リドリースコット監督の恐怖の名作SF映画、「エイリアン,1979」の宣伝文句なのですが、
その映画に登場する、
エイリアンの頭部の『ヌメヌメ感』と、
ポルシェ928のボディー上面の『ヌメヌメ感』が、


私の中で、
ほとんど同じもののように感じられるからです。
それほどに私の中で928は
異星人的な魅惑感と,
んんんんんんんんんn好奇心をそそられる存在です。
実車解説:911に代わる?新世代の異端児
(SPARK製 1/43 Porsch 928S (Silver)ポルシェ博物館 Special バージョン)
1972年、ポルシェとピエヒ一族が一時的に経営の一線から退く中、遠くアメリカ、GMデザインにてビル・ミッチェル指揮下で、ラリー・篠田とともにデザインを担当していたアナトール・ラパインがポルシェに招かれ彼の指揮のもと、1977年にハーム・ラーガイとヴォルフガング・メビウスの共作という形で、928が発表されました。
彼らが作り上げた外観デザインの特徴は、リアエンジン・リア駆動のスポーツカーである911型とは全く異なる、FRレイアウトを使い切ったロングノーズ・ファーストバックのハッチバック車となりました。具体的には、当時は聞きなれない(滑らかな局面で構成される)オーガニックフォームをまとい、まるで、『地球外生命体』といったほうがいい様な、誰も見たことも、想像したこともない大胆かつユニークな出で立ちで登場、見る者を徹底的に刺激しました。
機構的にも最新技術の見本市状態となり、高度なリア・サスペンション:『ヴァイザッハ・アクスル』、トランスミッションのリア・アクスル化(バッテリもここに搭載)、ステアリングコラムごと上下するチルトシステム、未来的『T』字型のコックピット・デザインとドア側空調吹き出し口など、後の世のスタンダードを数々生み出しました。
結果的に、ポルシェ928は1978年度の『ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー』を受賞(スポーツ・カーの受賞は928が唯一)、その後18年間にわたり生産され、延べ61,056台が生産されました。その先進的な外観と、凝りに凝った機械機構を愛するファンは世界中に存在し、コレクターや愛好家の元で、現在も元気に走り回っています。
選考理由:客観的にみて、、、


ポルシェ928の外観を細かく見ていきますと、
以下のような(破天荒でゲテモノ的な)デザイン的特徴がありました。
*90年代の流面形:
オーガニック・デザインの先駆けとなった外観の面造り
(80年代のCD値のこだわる第2の『空力・流線型』ブームに10年、先駆けた「ヌメーッ」としたボディー面の造形)
*前後でキャラが全く異なるプラン・ビュー(真上から見たカタチ)
ーーーーーー>
前からは、:強烈なシャーク・フェイス
(フロントフェイス前端を逆スラント気味に「スパッと」切り落とした姿+無機質な奥まったひとみ、の組み合わせ=クジラ・フェイス)
後ろからは、:立体的な異星人のマスク姿?
(新素材のウレタン系素材で包まれたバンパーとテールライトをまとめ上げる形で造形された、一目で記憶に残る、印象的で、きわめて独創的な立体造形)



*カブト虫の外羽のような、
テール部分を外側からやさしく包み込む、リア・クオーターウインドウ
(ほかには、AMC/ペーサーのリアウインドウぐらいしか例がない?)
*台形のデザイン・モチーフ
(ボディー全体にあふれかえる、台形モチーフ:バンパー・ライト、フロント・ウインドウ、サイド・ウインドウ、ドアミラー、テイルライトなど)
*言い尽くせないほどのインテリアデザイン・モチーフのあれこれ。
#チルト式メータークラスター
#T字型で伸びやかにセンターにつながるコックピット造形
#斬新なチェック柄のシート素材選び
#超分厚いドアにダクトでつながるエア・吹き出し口
(後の、フェアレディーZ やホンダ・プレリュード,NSXなどに影響を与える。)
私と928:グンゼと田宮のプラモで綴る私的物語
私とポルシェ928との出会いは
スーパーカーブームで始まった、中学生時代、
田宮とグンゼのプラモデルとともにありました。
*まず初めに手にしたのは、
TAMIYA製, 1/20のメタリックブルーの箱絵のもの、

こちらは1/20グランプリコレクションとしての発売で、それまで一般的だった、1/24キットに比べて2倍近いボリュームがあり、ただでさえ手触り甲斐のあるボディーの量感が一層素晴らしく、毎日寝る前に触りまくったり、見まわしたりして、独りで「組まず語り/ランナー・ジュース(酒の代わり)」していました。(笑)
*次に入手したのが、
グンゼ産業の力作:1/24のデラックス・シリーズ?の928で

こちらは、『ボンネット、ドア、リアハッチ開閉可能な自動車モデルx1台』+『V8エンジン、トランスアクスル一体のプロペラシャフトを介したリア部分とタイヤx4本』を別々にディスプレー可能な、超デラックスな逸品です。

こちらの『カエル緑』のボディーは田宮版と比べると、かなり小ぶりに感じるんですが、上から見た時(プランビュー)の後部(おしり)にかけての広がりが、田宮版より強調されており、色気のあるヒップラインに子供ながらに「凄いものを見てしまった!」と感銘を受けておりました。(笑)
その後大学時代に通学途中のタシロ模型にて、ドイツレベル製の1/16?と米国レベル製1/25のキットも入手しましたがボディー造形もその他のディテールもイマイチだったと記憶しています。
さらに時代が進んで、最近ではキットよりもダイキャスト製やレジン製のミニカーが出始めましたね。こんな感じで、
*Spark製、1/43 Porche 928 (メタリック・ブルーで格子柄のシート)
ーーー>めちゃくちゃ出来がよさそうで、色も年式も好みで、これが一番欲しいです。(EBAYでもなかなか見かけません、、、)
*Spark製、1/43 Porche 928S (シルバーにバーガンディー内装)
ーーーーー>今回の写真を撮ったミニカーです。
*ミニチャンプス/マキシチャンプスからも1/43の, 928や828Sが出てました。
後、小粒ですが、デッサンと彫りがしっかりしている、
*HERPA製, 1/87 Porche 928(鉄道模型用でプラスチック製)
ーーーーーー>今回の写真撮影の候補でしたがSPARK製のものが届いたので、、、
*残念なのは、京商が1/64でオリジナル版928を出してないことですね!
(1/64 928S4は出ているんですが、マイナー後の丸顔/エアロ付きのS4には、全く関心がないので、、、泣)
こんな感じで、私と928の『立体模型関係』は続いていきます。
(願わくば、最近勢いのある、中小の中国メーカーが『完璧版928』を出してくれるといいのですが。GFCCのBMW507のような、、、)








まとめ:
まとめてみますと、
私にとっての
ポルシェ928のデザインとは、
『宇宙的スケールの外装』と
『異次元クオリティーの内装をまとった』
『異性から来たエイリアン』となります。
(内装と外装のどちらも強力に出来がいい自動車は本当にまれですよね。)
1.来たり来る、オーガニック曲面デザインの先駆者として、
2.また、GTカーならではの豪華で先進的な内装のお手本として、
3.最近になり復活のきらいがある、逆スラントノーズの見本として、
後世のデザインに与えた影響は計り知れません。
そして何より、
その冒険心あふれる、物おじしないデザイン信念の力強さは、
このデザインを一目見て『ピン』と来た人には、言葉にならない励ましをあたえ続けることでしょう!
それにしてもヨーロッパメーカーが、アメリカ向けに作った自動車には前衛的なものや、型にはまらない傑作車が多いのは気のせいでしょうか?
その他の『地球外生命体的クルマ』たち
ポルシェ 928以外で私が気になる、
『曲面ボディーで奇想天外な外装を包んだ傑作車』を並べてみますと、
こんな感じです。
*コンセプト版、ギア・フォーカス、1992 (ガンメタリック)
(1990年代当時の自動車デザイン学生のアイドル的存在、外装の昆虫的な面づくり+手工芸品的な気品が漂う内装デザインのハーモニーが作り出す、「これで決まり!」感は別格)
*初代トヨタ・プレビア、1990 (メタリック・バーガンディー)
(未来から来た「卵」みたいな、かわい・カッコイイ外観とは裏腹に、世界でただ一つのミッドシップのミニバンといったパッケージも同様に驚異的!)
*レクサス・LC500、2017 (メタリック・バーガンディー)
(トヨタのハイソ・カー黄金期のシンボル『ソアラ』一族の末裔、絶滅危惧種の大型大排気量のGTクーペではありながら、その複雑な面構成によるボディー造形は秀逸)
*初代(だるま)セリカ‣クーペ(メタリック・ターコイズ)
(64年型マスタングなどからの影響で企画された日本版「ポニー・カー」第一号、本家を超えるほどに磨き抜かれた、立体感と方向感にあふれる「におい」のあるデザイン。)
*ミツビシ・『i/アイ』,2006 (クール・シルバー・メタリック)
(創造性豊かなエンジンレイアウトによる、「超人的」パケージが産んだ、ミツビシ版「かわいい卵」、同じ「卵型」のトヨタプレビアと違い、商業的に成功しなかったのが本当に残念。ぜひ一度乗ってみたい車のひとつです。)
以上となります。
次回は、いよいよ第2位のランボルギーニ・カウンタック LP400について考察してみたいです。(特異なチュブラー・フレームについても語ります。)
ーお楽しみにー
これはCTAサンプルです。
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